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今回はちょっとマジメに
オママゴトWSとか計画づくりの無限ループやって誤魔化してる場合じゃない
真剣にまちに向き合い「覚悟・決断・行動」するしかない
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■八潮市の陥没事故■
2025年1月28日に八潮市で大規模な道路の陥没事故が発生した。
信じられないような映像が画面から飛び込んできた。(事故発生直後からこのnoteをポツポツと書きはじめ1週間が経過したが、2025年2月4日現在でトラックドライバーの安否は不明であるし、関係する1,200千人以上が不便な生活を強いられていることが問題の深刻さを物語っている。)
今回の陥没事故は、全国で2,600件/年以上発生している下水道管の老朽化に起因した事故の一つでしかなく、残念なことにその規模が極めて大きかったわけである。トラックドライバーには何の罪があるわけでもないし、影響を受けた周辺12市町の住民にもなんら非があったわけではない。
しかし、今回の事故は「運が悪かった」で片付けて良い問題では決してない。
陥没事故の件数や老朽化の状況から考えると、今回の件は氷山の一角でしかないが、二度とこのようなことが発生しないよう日本全体で、そして個々のレベルでもできること・やらなければいけないこと・受け入れなければいけないこと・変えなくてはいけないことへ覚悟・決断・行動することが求められている。

●言い訳にならない言い訳
(当該管路の所有・管理責任は埼玉県であるが、)基礎自治体である八潮市の市長は事故発生の翌日にコメントを発表し、迅速に平謝りすることとなったが、各種報道では「直近の調査では直ちに修理が必要な状況ではなかった」ことや「一般的な耐用年数の50年に達していない(使用年数42年)」ことが報道されている。

●「朽ちるインフラ」の顕在化
「朽ちるインフラ」が認知されたのは、2011年の東日本大震災と合わせて東洋大学の根本 祐二教授が「想定内の緩やかな震災」として朽ちるインフラを提唱したことにはじまる。
そして皮肉なことにその翌年には笹子トンネルの事故が発生し、(それまでも様々な事故は発生していたにも関わらず個別の特殊事案として考えられていたが)「朽ちるインフラ」が人命を奪うという最悪な形で社会問題として認知されていった。
同時に根本教授の指摘する「100%確実に予見できる問題であるから100%確実に避けることができる。その知恵と力が日本人にないはずがない」は、違う言葉で言えば「何か起きたら人災であり、その責任は一義的には公共施設・インフラの所有者である首長(行政)が取らなければならない」という警鐘であろう。実際にふじみ野市で流れるプールの吸水口に児童が吸われて死亡した事故では(本来は財産の所有者であり総合調整権を持つ市長が責任を取るべきだと思うが、最高裁判決によって)当時の課長と係長が執行猶予はついたものの有罪が確定し、刑事罰という形で責任を取ることとなった。
その後、国交省を中心としてインフラ長寿命化計画が策定され、総務省を中心とした公共施設等総合管理計画の流れでは、全ての自治体に公共施設等総合管理計画の策定が「要請」されることとなった。2000年の地方分権一括法が施行され、国と地方が対等と位置付けられたなかで「要請」という強い言葉で、全自治体が「計画策定」に取り組むこととなった。
それぞれの自治体がその背景を真剣に理解し、きちんと現実を直視していなかったことが根幹的な問題であるにしろ、総務省が策定要請において公共施設・インフラを負債と捉え「短絡的な施設総量縮減」にフォーカスを絞ってしまったこと、更には「計画づくり」をKPIとしてしまったことで、「公共施設・インフラが市民の生命・財産に襲いかかる」という3次元の深刻な課題は2次元のリアリティのない世界へ堕ちていった。
総務省は追い討ちをかけるように個別施設計画の策定・総合管理計画の見直し・・・と、自治体を「計画づくりの無限ループ」へ貶めるとともに、そこに群がる計画づくりコンサル・机上論の学識経験者・後追いの評論家等によってなぜか現場でのプロジェクトよりも「計画づくり」の風潮が広まっていってしまった。
笹子トンネルの事故についても簡単に喉元を過ぎて良い問題ではないし、全く何かが改善されたわけでもない。むしろ事態は刻一刻と悪い方向へ転げ落ちているのが現実である。
「100%人災」であることは、こうしたところにも現れている。

===続きはリンク「まちみらい公式note」===
https://note.com/machimirai/n/n268689f8bcfc

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