■CO2削減は大切だけど
気象庁によると2023年は過去30年の平均値からの偏差で+1.29℃。更に2024年の夏は朝日新聞(2024.9.3朝刊)によると平年より+1.76℃で統計の残る1898年以降で昨年と並び史上最も暑かったとのことである。毎日のように猛暑日が報道され、何処かで40℃越えすることも珍しくなくなった。
気象庁は「異常気象」と位置付けているが、気象庁が提示している下記のデータを見ると(素人目線では)地球温暖化の影響が大きく、かつこれだけデータが示しているのだから「予見できる」範囲のものだと考えられる。
昔は気温・水温が低いことを理由に学校プールが使えない(あるいは無理やり入って唇が紫になる)ことが当たり前だったが、近年では熱中症警戒アラート等で暑過ぎて入れないという逆転現象も起きている。
「冷夏」という言葉を聞かなくなって久しいし、夜になっても気温が全く落ちない、夕立で空気が入れ替わるのではなくゲリラ豪雨で冠水する(時間50mmを想定した雨水排水のシステムは物理的に対応できない)、農作物の異常な豊作・凶作等の日常的に発生していることから見ても、地球温暖化は確実に「日常の生活」にも大きな影響を及ぼすようになっている。
●自然災害
線状降水帯や台風による被害も「数年前は何十年・何百年に発生しうる」レベルのものが毎年、全国各地で複数記録されている。今年もノロノロ台風と言われた台風10号によって各地で長期間に渡って甚大な被害が生じている。
この台風10号では、東西の大動脈である東海道新幹線が計画運休を含む大規模な運休をしたことによって、人流・物流が滞った。(自分もたまたま福井市へ行く用事があったが、北陸新幹線・サンダーバードによるルートが生きていたことでかがやきは指定席まで立ち見客が溢れる状況になっていた。)
また、夏休み期間で各地で大規模なコンサート・イベント・スポーツ等も予定されていたが、(昔のビートチャイルドの時代とは異なり)これらも軒並み中止を余儀なくされ、ビジネスにも大きな被害が及ぶこととなった。
●脱炭素
このような状況から考えても、「時すでに遅し」かもしれないが脱炭素は真剣に取り組まなければいけない課題であることは間違いない。地球温暖化防止については何十年も前からオゾンホール・北極や南極の氷が溶ける・海面上昇・ヒートアイランドなどのマクロなベルの言葉で警鐘が慣らされていたが、今日の身の回りで起きているような「身近な問題」で考える機会が少なかったようにも思う。
言葉としては知っていても自分も含めて人々がどれだけ真剣に取り組んできたのか反省しなければいけないし、やはり自分たちが巻き起こした問題であることは間違いない。
地球温暖化がもたらす日常生活への影響が「誰の目にも明らか」になっている状況下では、国や世界単位で方向を示す・何かをすることも重要かもしれないが、やはり個のレベル・組織のレベルでできることをやっていくことが、小さいかもしれないし一気に何かを変えられるわけでもないが、「今できること」だろう。
●表面的にやるものなのか?
SDGsなどとともに脱炭素は現在の大きなトレンドになっている。
これまでもふるさと創世・平成の大合併・CCRC・オリンピックレガシー・ふるさと納税・地方創生等、国が主導する政策は数々あったが、どれも残念ながら表面的に補助金・交付金事業に終始し、単なる税金のバラマキに陥りモデル事業・実証実験の名の下にコンサル・ベンダーに貴重な税金が溶けていった。この辺りは東洋経済2024.5.11号及び同オンラインの「喰われる自治体」で詳しく書かれている。
最近では「結婚を機に東京から地方に移住する未婚女性に60万円を支給する」といった政府の方針が大炎上し、わずか3日で撤回するという醜態まで晒している。しかも、報道によると内閣府の担当者の声として「市町村から『未婚男性も支給対象に』との声があれば検討する」としているがそういう問題ではない。僅かな現金で人の人生を釣ろうとするセコくてリアリティのない発想そのものが根本から間違っているのに、そのことにすら気づかないような国に期待している場合ではない。
脱炭素についても、同じような思考回路・行動原理で国・自治体ともに表面的になんとかしようとしていないだろうか。
===続きはリンク欄「まちみらい公式note」===
https://note.com/machimirai/n/n7906dea5f17d
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