==■令和8年熊本地震=
●報道されている情報
2026年7月28日16時27分頃、熊本県熊本地方の深さ16km(暫定値)でマグニチュード7.1(暫定値)の地震が発生した。宇城市と氷川町で震度7、中部地方から九州地方にかけて震度6強〜1を観測し、熊本県熊本地方では長周期地震動階級4が記録された。気象庁は同日、この地震とそれ以降の一連の地震活動を「令和8年熊本地震」と定めている。有明・八代海に発表された津波注意報は18時10分に解除された。気象庁は1週間程度は最大震度7程度の地震に注意が必要だとしている。
人的・物的被害は、政府発表で7月29日8時30分時点で災害との関連を調査中のものを含めて死者13名、重傷者7名、軽傷者29名。同日7時時点で熊本県・福岡県など5県506か所の避難所に9,186人が避難し、停電は熊本県で約36,900戸、断水は約84,000戸、ガスは熊本市と八代市の約9,500戸で供給停止となっている。
日本製紙八代工場では煙突が倒壊し、嘉島町のイオンモール熊本では地震後の爆発で建物が崩壊した。九州自動車道の八代IC付近ではランプ橋が崩落している。政府の地震調査委員会は、日奈久断層帯が約30kmにわたってずれ動いた可能性を指摘した。
亡くなられた方に心よりお悔やみを申し上げ、被災された方にお見舞いを申し上げる。そのうえで以降は、感情の表明ではなく「ここから何を考え、何をするか」考えていく。

●センセーショナルな映像のリフレイン
嘉島町のイオンモールの爆発事故や八代市等での家屋の倒壊状況の映像は、今回の地震がどれほどの恐ろしい力を持っていたのか示す象徴であるが、テレビではずっとその映像だけが繰り返され、被災された方々へのインタビュー・家屋に入り込んでの被害状況などが報道されている。
被災された方々へのインタビュー等はあまりに無神経であるし、どれだけ心を痛められているかは聞かなくてもわかることだし、それを「全国ネットで晒す」ことに何の意味があるのだろうか。
そして、このようなことは過去、東日本大震災や前回の熊本地震、能登半島地震でも繰り返された愚行であり、それがいまだに行われている日本の報道のレベルの低さには呆れる他ない。
このような悲惨な状況のリフレインによって世の中には「こんなときに」といった自粛モードが広がっていく。

==■お通夜モード==
●「自粛」の無意味さ

木下斉氏が繰り返し指摘してきたとおり、災害のたびに湧いてくる「自粛」には合理性が全くない。
自粛とは、被災していない場所で被災していない人が消費と移動をやめる行動であり、その先にあるのは被災地での資金と人の流動性を止めることでしかない。更に直接の被害を被っていない被災地の外側でも「自粛」によって経済が縮めば、被災地に届く支援の原資まで縮む。会議を止め、出張を止め、旅行を止めた分だけ、誰かの売上と誰かの雇用が消えていく。
そこで人の流動性が喪失してしまうことで、関連する様々な業界におけるサプライチェーンも影響を受けていく。自粛は復興へ何のプラスの影響も及ぼさない。もちろん被災された方々・地域へ想いを馳せることは大切なことであるが、それは自粛と何ら因果関係がない。

●経済は回さなければいけない
上天草のシークルーズはいち早く安全を確認したうえで「通常営業を再開」することを宣言した。先日、直接お会いさせていただいた社長の瀬崎公介氏はSNSでも「ゴリゴリ経済回します」としているが、実際にはここでも直近の「キャンセル料を無料にする」といった苦渋の決断もされている。
2016年の熊本地震では、熊本県・大分県の被害額が最大約4.6兆円と推計された。この規模の損失を埋めるのは義援金ではなく、経済活動そのものである。
「自粛」で人為的に消失した経済損失は誰も補填してくれないし、「頑張ってください」のメッセージは金銭に還元されることはない。

●「行けばいい」わけではない
自粛の否定は「今すぐ全員被災地へ行け」と同義ではないし、そのような短絡的なことを言っているわけではない。
報道された表面的な情報・同調圧力でお通夜モードの「自粛」をしていることで誰にどのような影響が及ぼされるのか、少し考えて自分なりの行動をすることが何より大切だ。
自分の行動が被災地の資源を奪うのか足すのか。水や食料を適切に回さなければいけない状況下で、道路も必要な物資の運搬を最優先し、宿も関連する人々を優先することが大前提で、人手も限られている局面で、「野次馬のように被災地に行くだけ」では現地の方々の足を引っ張ってしまう。それはマスゴミの連中と同類でしかない(実際に筆者が公務員時代、東日本大震災で相馬市に派遣されていたとき、同僚の職員で「現地に行ったのにほぼ働かないで被災映像だけを眺めている」人間がいたが、このような論外な行動はしてはいけない)。
一方で、事前に「正しく」情報を得てリソースは自分で確保したうえで「日常を取り戻している・取り戻そうとしている」人々とともに、できるだけ日常の生活を共有することは何よりも大切なことだ。
動いた分だけ現地でお金が落ちるなら、それは支援の一形態になる。奪うか足すかは、精神論ではなく事実で判定できる。短絡的なお通夜モードによる自粛は、日常を取り戻そうと必死になっている方々の経済、そして心にも大きな損害を与えることを忘れてはならない。

==続きはまちみらい公式note==
https://note.com/machimirai/n/n676dfc2e19bb

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