■まちみらい流■
たまにはコンサル業なのに「字を一文字も書かない」宣言をしている「まちみらい」の業務がどのように行われているのか、その一端と「なぜそのようにやっているのか」を解説してみたい。
後段に記すが、国や一般のコンサル・監査法人はこのnote見ても簡単に真似できることではないし、表面的に劣化コピーすると自治体に迷惑かけるだけなので絶対にやらないでほしい。
(そのために書いているわけではないが、そんなことすらわからず「そうか、こうやればいいんだ」と表層的に劣化コピーしてレベルの低い怪しい業務で暴利を貪る、こちらからしたら迷惑でしかない。知的財産とか全く理解していない。
自治体の担当者も、もしこうした人たちからなんちゃってハンズオン支援なるものを営業・提案されたりしたらアヤシイと思って近づかないように)

●集まって議論
まちみらいの行政を対象とした業務では、「いろんな課の担当者(や管理職)」が集まって徹底的に議論しながら進めることを基本としている。現代の日常業務がクソ忙しいなかで、(形式上だけの)働き方改革でオフィシャルな勤務時間が限定されるにも関わらず、「敢えて」多くの職員を長い時間を拘束して、徹底的に議論しながら形を模索していく。そこには予定調和もなければ落とし所なども最初に作ったりはしない。もちろん有識者委員会のようなシナリオなど存在する余地もない。
ただただ、プロとして徹底的なディスカッションを繰り返す。

●アドバイザー業務型
基本パックでは、日帰り可能な場合は8日、1泊2日の場合は5回で延べ10日(モリモリパックはそれぞれ1.5倍程度)、直接そのまちに出向き、様々な所管課の職員から各自、「抱えている課題とどうやったら解決できそうか」をプレゼンしてもらい、それをいろんな課の職員がよってたかって徹底的にディスカッションしながら、形になりそうなものから順番に事業化していく方式をとっている。
2回目以降は「前回どのような議論がなされたか、今回までに何を検討してきたか、どうしてくのか」をプレゼンしてもらい、議論が必ず蓄積されていく・後戻りすることない形で進んでいくよう工夫している。
どうしたらディスカッションが盛り上がるのか・本質的な問題に踏み込んでいけるか・リアリティを担保できるのか等、常に職員の表情や発言内容を確認しながら、かつできるだけ口を挟まないように自分たちでディスカッションすることを促していく。「何のためにやるのか≒ビジョン」やそれを実現するために「誰が・何を・どういう頻度・収支でやるのか≒コンテンツ」を中心に、非合理的なものも含めた様々な与条件も整理しながら、「形にすること」に特化したディスカッションを繰り返していく。
コロナ禍ではいくつかの自治体で何度かオンラインでもやったことがあるが、やはり空気感が伝わらないとなかなか難しいことも確認できた。

●個別案件型
包括施設管理業務委託、庁舎跡地活用などの具体的なプロジェクトをベースにした個別案件型の場合は、まちみらいで案件ごとに作成する専用のフォーマット(プロジェクトにもよるが延べ10枚程度)を利用し、それを1枚ずつワークショップ形式で整理していく。
まちみらい流では旧来型市民WSの「こうあったらいいな」のオママゴト形式ではなく、1人ずつ発言するよりも20人集まれば付箋に自分の思いを書き込み可視化することで20倍のスピードで議論ができること、ログとして残るので議論が後戻りしないこと、ヒートマップのような形で論点を可視化できることから、このような形式を採用している。
もちろんポイントとなるのは、プロジェクト構築のために必要な論点をもれなく検討していくことであり、このフォーマットを全て完成させた時点でそれを言語化すればサウンディングや要求水準書が自動でできる形としている。
同時に「みんな」「賑わい」などの行政的なNGワードは徹底的に排除しながら進めることや、「なぜそう思うのか?」の禅問答を繰り返しながら、1枚ずつの付箋に書かれた言葉の解像度を上げていくことも行っている。
藤沢市の市民会館のプロジェクトでは、対象となる施設数が多かったり多様な可能性があったことから最終的に延べ15日間、原則として9:00-17:00まで毎回約20名の職員で地獄の缶詰作業を繰り返すこととなった。

■なぜこのやり方なのか■
大きな方法論は上記2つだが、なぜ「敢えて」集まるのかを少し整理していく。

●課題は類似していることが多い
行政を取り巻く課題は、都市公園・市営住宅・集会施設・・・いろんな施設やソフト面も含めて多様であるが、非合理的な社会だからこそ「なぜ課題がわかっているのに解決できないのか」のボトルネックには、共通することが非常に多い。
例えば「過去に補助金を入れているから財産処分ができない」ことを理由にしている場合は、「10年以上経過していれば包括承認制」や「10年未満でも地域再生計画」などで突破できることなどを1度説明すれば、同じような課題を抱えてい課・施設で改めて説明する必要がなくなるし、多くの関係者がそのことを理解することで共通認識になっていく。
もしこれをバラバラにプロジェクトごとの議論をしていたら、同じ話を何回もすることになり、はっきりいって1回で済むことなのに時間の無駄でしかない。
また、「〇〇課がなかなか理解を示さない」の場合も、どこかの課が既にそこの理解を得たりパススルーした経験知を持っていることもある。どうやって突破したのかのエピソードを集まった場で共有することで、ブレイクスルーのきっかけになるだけでなく、「前に進めるかも」といった空気感を醸成することにも役にたつ。

===続きはリンク「まちみらい公式note」===

https://note.com/machimirai/n/nd9ab0413b7a3

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