■エスコンフィールド■
●エスコンフィールドとは
2023年に華々しく北海道日本ハムファイターズの本拠地としてオープンしたエスコンフィールド。
BIG BOSSこと新庄監督を迎え、2024年にはリーグ2位となりプレーオフにも進出して大きな盛り上がりを見せた。
野球を見ない人はあれ?日ハムって今まで札幌ドームを使ってなかったっけ?と思うかもしれないが、このnoteでは移転の経緯から少し考えてみたい。まずは先日エスコンフィールドを訪れた際のレポから。
●エスコンの今(2024.12)
約1年ぶりに訪れたエスコンフィールド。
前回はレンタカーだったが、今回は新千歳空港から電車で。北広島駅からエスコンフィールドのあるきたひろしま総合公園までは徒歩で約20分、意外と遠いが歩行者専用道路が整備されており、迷うことはない(ちょうどいい運動になる距離)。
まず駅周辺に多くのマンションやここ数年で整備されたと思われる住宅が数多く建っており、物価・人件費の高騰や「人がいない問題」が叫ばれるなかでも建設中の物件も大小いくつも見受けられた。
この歩行者専用道路から見える北広島市役所も(時間の関係で中を見ることはできなかったが)開口部面積が抑えられて雪国仕様、規模もそれなりにコンパクトで変な意匠・装飾や先鋭的な構造を使ったりしておらず、機能面と経済合理性を優先した仕様となっている。このあたりの感覚がエスコンフィールドを巡る動きにもつながっているのかもしれない。
(略)
●スタジアムシティ長崎との共通項
11月に訪れたスタジアムシティ長崎とエスコンフィールドは、その経緯・規模・対応するスポーツの種類・立地等が大きく異なっているが、プロジェクトとしては多くの共通項がある。
いずれも民間投資によるスタジアムであり、行政からの補助金・交付金等は一切入っておらず(プロスポーツの本拠地になっている前提はあるが)イニシャル・ランニングともに独立採算が大前提となっている。
試合が開催されていない日でもスタジアムの客席やコンコースは開放され、多くの人々がお弁当・ビール等を片手に芝生をのんびり眺めたり、コンコースで走ったりする「都市公園っぽい」姿を見せている。
醸造所を備えたブリュワリー、スポーツ関連だけではない商業施設、本格的なサウナを備えた温浴施設、宿泊施設、子育て支援施設などがスタジアム周辺に整備され、プロスポーツ開催時の非日常と日常をリンクさせ、同時にまちとも緩やかなバッファゾーンを持ちながらつながっている。
両者とも今後、この貴重な民間投資の価値をどう高めていけるのか、行政はフリーライドで反射的なリターンを得るだけにとどまらず、民間事業者のビジネス・ビジョンにあわせて対応していくことがポイントになってくるだろう。
■エスコン移転の経緯■
●関連書籍・YOUTUBE等
詳細な経緯は関係者の想いも含めてアンビシャス(文藝春秋)で描かれているが、YouTubeでも(多少の脚色はあるかもしれないが)データも含めて解説されている。
札幌ドームは札幌市の公の施設であり、市の外郭団体である(株)札幌ドームが当初から非公募で指定管理者を担い続けている。当時のファイターズにはダルビッシュ有、大谷翔平などのスター選手が在籍し、球団にとっては選手が最大の資産・リソースなので最大のパフォーマンスを発揮してもらい、怪我の発生を抑制するために天然芝への更新・フェンスをクッション性の高いものへ改修などを提案してきた。しかし、年によっては20億円以上もの施設使用料を納めていながら市及び指定管理者に「公の施設(みんなの施設)なので一営利企業である日ハムの思いどおりにはできない」と改修を含む様々な改善提案・条件の改正等は全く受け入れてもらえなかった。
それだけでなく、飲食・物販・看板等の広告料についても軒並み指定管理者の収益として計上され、その大きな原動力となっていたはずの日ハムには全く還元されない理不尽な構造になっていた。
===続きはリンク「まちみらい公式note」===
https://note.com/machimirai/n/nf8496eb772c9
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